
す。とりわけ、この「評価」と申しましょうか、エバリュエーションというのは非常に重要でございまして、鑑賞者の客観的な評価。感動したか、楽しかったかどうかということを含め、これからへの要望も含めたいろいろなことが話題になってくるんじゃなかろうかという気がするわけでございます。 最後に、第3世代型のアートマネージメントの課題ということを、1つのモデルとしてお話しして終わりたいと思うわけでございます。といって、決して第3世代型のアートマネージメントが一番いいということを私は言っているんじゃございません。これからのアートマネージメントの課題を考える上で一番わかりすいというか考えやすい、そういう意味で、1つの事例として申し上げているわけでございます。 これについてはひとえにスペシャル・アートマネージャーの充実にかかっているんじゃないかという気がいたします。スペシャル・アートマネージャーが、行政の方でもいいし、または民間の方の委託でもいいし、例えばボランティアの方でもいいし、時には施設をアーチストカンパニーというか芸術家に任せて責任を持ってやってもらうというような、そういうアーチスト・ラン・システムでもいいし、とにかく何らかのスペシャル・アートマネージメントの機能がそこでじゅう分に発揮される、そういうようなことが決め手になるんじゃないかと思います。そういう意味では、まずスペシャル・アートマネージャーをどう発掘するか。 次は、そのアートマネージャーを公立文化施設に取り込むにはどうするのか。ラインか、スタッフか、専任か、委託か。さらに、ジェネラル・アートマネージャーとしての行政系の職員の方々との役割分担をどうするかということなども非常に重要な問題でございます。 それから、アートマネージメント機能の活性化による館全体の変容ということも、芸術の8要素に即して、これから考えていけるんじゃないかという気もいたします。 まず「独創性」ということでございます。その館その館の独創的な性格、個性を打ち出していくということ、これが一番重要でございます。 2つ目は「創造性」。その土地ならではの新しい芸術の息吹を育てていくホール。 3番目は「精神性」ということでございまして、アーチストの方々と市民の方々、それから行政や企業の方々が、いっも本音を吐き合ったり、それから笑い合ったり、時にはお酒を飲んだりしながら、心と心の触れ合いを図っていくということにおけるところの心のきずな、これが一番大きなネットワークだと思います。心と心のネットワーク、それがあって初めて人のネットワークが生まれてくる、そのように思うわけでございます。
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